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「羨ましい」
その日学校は休校になり、葵の行き着けの喫茶店に向かった。
【GARNET】と書かれた喫茶店には金の短髪が特徴の女性店員が1人だけ居た。
彪兎と葵はそれぞれブラックコーヒーとレモンティーを頼んだ。
「ここあまり知られていないの」
「そう」
「死んだ子、私を虐めていた人間よ」
「葵が殺したの」
「まさか、友人関係のトラブルだそうよ」
彪兎はいつも学校へは遅刻ギリギリに通って居る。
そのため死体を見れなかったのだ。
何人か早く学校へ行く人間は死体を見た者も居たそうだから、彪兎の機嫌も必然的に悪くなっている。
「知ってる…でも何でそんな事を葵は知ってるの」
「彼女カウンセリング室に通って居たのよ」
彪兎は気怠そうにコーヒーを啜った。
「嗚呼…そう……!?」
彪兎は突然頭に新聞の切り抜きが浮かんだ。
もしかしたら、極々少ない可能性ではあるが…
「どうしたの楽しそうな顔して」
「嗚呼…君には関係無いよ」
彪兎は葵の分の支払いを済ませて喫茶店を出た。
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