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コンコンコン
規則的なリズムで三度カウンセリング室の扉をノックする。
「どうぞ」
そう応えが返ってくると同時に彪兎は扉を開けて中に入った。
「あら、この間の」
「こんにちは」
彪兎はゆっくりと扉を閉め、静かに鍵を下ろした。
「今日はどうしたの」
梨恵は読んでいた小説を置くと、立ち上がりお香を焚いた。
「座って…紅茶にミルクとお砂糖は」
彪兎は静かにソファーに腰を降ろして、テーブルに携帯電話を置いた。
「砂糖もミルクも要りません。どうせ手を付けませんから」
彪兎はそう応えてから、梨恵に座るように促した。
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