No.06 規約

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  梨恵は笑みを崩さず真っ直ぐ彪兎を見つめている。 「方法としてはそうですね…例えばそのお香」 彪兎は棚に乗っているお香を指差した。 「そのお香やアロマは不安を和らげる効果ではなく、逆の効果が作用している。そしてさらにはカウンセリング自体も不安を煽るやり方だったのではないですか」 彪兎は缶コーヒーを飲まずにポケットにしまった。 「…どうやって調べたの」 「私は表面上友達が多い事になって居るんですよ。アナタが居た学校で飛び降り自殺が起きて居ましたよ。短期的なカウンセラーを雇って居る私立高校なら何人もの出入りがあるだろうし、アナタの自殺のやり方ならばアナタが学校を去ってから死ぬ人間が増えるハズですよね。親身になっていたカウンセラーが居なくなるんですから」 「流石ね」 梨恵は缶コーヒーに口を付けそう言って笑った。  
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