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「慣れても車とかなら十分だろ」
「もちろん車でやったわ。でもガムテープの貼り甘くて、隙間から漏れていたわ。だからもう怖くて練炭自殺は出来ない」
「臆病な自殺志願者だな」
彼女は笑ったのだろうか、少しだが彪兎には肩が揺れたように見えた。
「そうね」
「カウンセリングでも行けば、保健室の隣にあるだろ」
葵は眉をひそめた。
もちろん彪兎には分からなかったが、声色で不振がっているのは分かった。
「私は死にたいのよ」
「カウンセリングは自殺を防止する場所じゃなくて、不安や悩みを取り除く場だろ。死ねないなら恐怖心だけでも和らげてもらえよ」
彪兎はさも楽しそうにそう言った。
「やっぱりアナタはズレてる」
笑みを浮かべる彪兎。
「死ぬ時は言ってくれ。俺はそういうのが好きなんだ」
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