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清々しい朝だ………
まさか世界のどこかで酒場が一人の女性によって破壊されているなんて、微塵にも思わない清々しい朝だ。
「明日かぁ………」
そお…………明日から敏郎はアメリカに向かうのである……
弟子をこれまで頑なに作らなかったアデルが、弟子とったようなので一度顔合わせをしに行く………
「あ~………なんかそわそわしてるわ俺………小学校の遠足でもあるまいし……」
一旦浮わついた心を落ち着ける為に部屋を出た………
眩しいほどの陽射しを受けたが、まだ朝はやいので空気はひんやりと、肌に涼しい感覚を与えてくれる。
「んん~!!……全く、平和な朝だな………」
朝陽を取り込むように伸びをし、深呼吸をする。
「平和…………か。」
その言葉の裏には、敏郎を毎晩苦しませるあの言葉が含まれている………
「退屈なんて思ってねぇ………ああもお!!……カウンター掃除してこよ!!」
沸き上がる黒い感情を振り払うように、敏郎は一階のバーにむかった。
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