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──ヴェノーラ───────
「どおしてくれるってんだエルー………店はボロボロでおまけにボリスが夜逃げたぁよぉ………ったく質の悪い夢でも見てんのか俺は……」
火薬の臭いがまだ残っておりそこかしこに銃弾の跡が生々しく残っている……
そんな中一人の黒人の体格のいい男が金髪の女性に椅子に座らせ見下ろすように説教を浴びせている。
座っている女性は言わずもがなこのバーをまたも破壊した女…………エルダ・キャンベルである。
「悪かったよ!!………でもよ~ジップ!!………あたしの言い分聞いてくれたって「てめぇの言い分なんざどぉせカッときたからブッぱなしてやったってだけじゃねぇか!!」
エルーの虚しい言い訳も言葉にする前にジップに遮られてしまう………
事実なのでエルーは何も言えないのだが。
「わかったよ………言い訳はしねぇよ。…………でどうしたらいいんだよ?……あたしは……」
自分が悪いことを認めたくないのかバツの悪そうな顔をしているが一応は責任をとるつもりらしい………
「そんじゃ…………新しいバーテン連れて来い。」
ジップはニヤリと口の角をつりあげ楽しげな表情になった。
「はぁ!?なんであたしがんな事務的なこと………」
「そりゃてめぇがボリス追い出しちまったからに決まってるじゃねーか」
正に正論である。
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