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先程まで怒鳴り声やら銃声やらで騒がしかったバーも一段落し閑静を手に入れたようだ………
「ったくばんばんばんばんブッぱなしやがって………銃弾にいくら金かけてると思ってるのかね…………あの姫様は。」
ジップはカウンターにもたれ掛かりタバコをくわえ紫煙をふかす。
不意にカウンター越しの裏に繋がるドアに目をやると一人の男の姿に気がついた………
「ニル坊じゃねーか………ベネツィア商会のみんな揃ってこんな夜遅くまで起きてるたぁ不健康極まりねぇ」
二人の男はお互いの顔を見合わせ苦笑いを一つ。
「今日はよくここから銃声が聞こえてきたね………エルーはご機嫌ナナメってところかい？」
笑いを浮かべているところからエルーの機嫌が悪いことはよくあることだということが伺えた。
「ああ。……さしずめ………あの人の仕事が入ったからってところだろうよ。………若い女ってのは情緒が不安定でいけねぇ……」
本人がこの場にいたらたちまち弾丸が飛び交うような発言だ。
「まあ彼女らしくていいじゃないか。………直情的で短気なところがね……」
もうすでに皮肉の応酬と化した会話はまだ続く……
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