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「居るか性悪警官!!……酒出しやがれ!!酒ぇぇ!!」
エルーは小さな建物…………恐らく駐在所のような建物のドアを勢い良く開け放ち叫んだ。
周りには真夜中にも関わらずネオンが消えることのない喧騒とした風景が広がりエルーの大声もさほど目立つことはなかった………
それでもこの小さな駐在所に響くには十分だったらしく一人の女性がダルそうにノロノロと出てきた。
「んだよも~!!うるさいね~………ってエルーじゃないのさ。またうちの酒目当てできたのかい?」
女性は少し気だるそうにそう聞いた。
「そおだよ悪いかよ!!………ったくストレスで鬱になりそうだ!!」
激しく語気を荒げ思いっきり悪態をつく………
「レダ!!とりあえずあるだけ酒出せ!!………出せるだけ出せっ!!」
既に何か人に頼むときの礼儀など全く意味を為さないような言葉だ。
「お前な~………あたしは警官なんだぜ~?脅迫罪で取っ捕まえてやろうかっての~」
この間延びしていて絡み付くようなしゃべり方の女性………先程は“レダ”と呼ばれていた女性……
本名は“ローレッタ・ホークスビー”先程本人が言ったようにが警察官。
髪はエルーと同じ金髪で肩に掛かるか掛からないかと言う長さだ。
サングラスを掛けていて目の色は窺えない。
サングラスのせいで刺々しい雰囲気であるが間延びしたしゃべり方のせいでいまいち掴み所のない性格に見える。
「テメエが言えたことかよ………“警察官”って肩書き持ったただの悪党じゅねぇか………オメェは!!」
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