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「ひでぇ顔だなエルー。レダの男遊びにでも巻き込まれたか?」
半ば呆れた顔でバーのカウンターにうなだれるエルーにジップは皮肉を投げ掛ける。
「ジップ………今あたしに話し掛けんな…………月まで吹っ飛びそうなほど気分がわりい……」
より一層深くうなだれエルーは力無く言った。
「じゃあ月まで吹っ飛んだついでに月の石でも拾って来てくれ……高値で売れる。」
ジップは大きな体にはあまり似つかわしくない笑みをうかべた。
「ジョークもNGだジップ……っちっくしょう!!……頭割れそうだ………」
もう限界なのだろう………カウンターの席を立って自室ヘ向かって行った………
エルーと入れ違いでニールが下りて来てすれ違いざまに「やあ……」と声をかけていたが返答は皆無……
ニールは彼女の機嫌が悪いのかと察してそれ以上は声をかけなかった。
「お姫様様はご立腹かい?……酷くご機嫌ナナメの様に見えたけど……」
特に驚いた様子もなくいつものヘラヘラとした顔でジップに問いかけた。
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