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職場に友達ができるのと同時に、俺の客にも新しい風が吹いていた。
豊島アヤカ。
酔い越しだったので詳しくは忘れたが、店で知り合い、場内指名を貰い、友達営業を続けていた。
アヤカの第一印象は姉御キャラって感じの風俗嬢。
ルックスは悪くないが、センスが元ヤンって感じで、あまり街などを一緒に歩きたくはなかった。
アヤカに対しては典型的な風俗嬢と値踏みしていたが、ある日、俺は店でベロベロに酔っ払う。
その日から少し前に、シンノスケが仕事を辞めたんだ。
連絡は取れたが、店の景色にシンノスケがいなくなった事に、急激な寂しさを感じていた。
売り上げに伸び悩んだ時は励まし合い、2人して痛客に肝臓を痛めつけられた時は影で愚痴り合い、夢を語り、助け合った仲間だった。
俺が仕事をする事において、シンノスケの存在は思いの外大きかったんだ。
けどあいつは目標の金額を稼ぎきり、店を辞めて俺は1人。
その日の俺は荒れていた。
俺がトイレでリバースしている所に、卓に着いていたアヤカが来た。
「大丈夫かあ?」
アヤカはそう言いながら、俺の背中をさすってくれた。
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