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俺はそれまで、死ぬほど頑張っていたがNo.一桁を行ったりきたり。
努力に比例した売り上げを挙げられず、それでもやっと手に入れた順位を他の従業員に脅かされるプレッシャーと、上に上がれないぶ厚い壁に心が折れて、ギリギリの精神で仕事をしていた。
矢先に仲間も店を辞めた。
酔っていたのと、背中をさすってくれたアヤカの優しさで、一気に緊張が解けた。
「もう辞めたいんだ!こんなクソ仕事!」
その時になって、俺はシンノスケが「この仕事をやっている自分が恥ずかしい」と言った意味が分かった気がした。
その日はトイレで号泣しながらアヤカに泣きつき、愚痴を吐きまくった。
アヤカはただ、俺の話を聞き、卓に戻った時には今までと同じ様に接してくれた。
そして次の日には、仕事を増やし、アヤカは俺をNo.1に押し上げようとしだした。
元々俺に気があって心酔していたのは知っていたが、泣いた俺が、たまらなく愛しいと思ったらしい。
普通のホストなら、しめしめと喜ぶ所だろう。
俺も例外ではないが、アヤカの行動に、俺もNo.1の自分を見せる誠意で応えようと思った。
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