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その頃には客とホストを越えた、戦友のような絆が俺とアヤカにはあった。
アヤカのお陰で売り上げも伸び、ついにNo.1になれた。
同時に俺はアヤカに対してやましい気持ちがあった。
俺には家に帰ると、うまい料理で出迎えてくれる女がいた。
「お帰り」
その言葉と同時に、部屋には酔い越しでも食欲をそそる味噌汁の匂い。
誰が見ても可愛いルックスなのに、献身的で家庭的。
俺には、俺ですらもったいないと思うほど可愛い彼女 ジュリアがいた。
彼女は一見で店に遊びに来ただけのキャバ嬢だったが、俺の一目惚れで本命のモチベーションでモーションをかけた。
付き合ってから、同棲しだしたのはすぐだった。
「旅行 どこ行く?」
卓を囲み、飯を食いながらジュリアは聞いてきた。
「ジャマイカはどうだ?」
俺がそう聞き返すと、ジュリアはパアッと笑顔になる。
「本当!?でも安くないよ?」
「今月も 売り上げ順調だから 」
俺はそう答えて、ジュリアを納得させた。
そう。今月は順調。
だが、来月が分からない。
俺がこんな和んだ生活をしている間も、アヤカは股を擦り切らせて働いている。
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