エイアとズシオウマル

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ズシのお陰で、あたし自身の気持ちには安らぎができたものの、中学校生活では相変わらず問題があった。 学年でも目立つグループの女子が、ある男子に告白した。 けど、その男子は好きな人がいるからと断ってしまう。 その好きな子というのがあたしだった。 ちなみにあたしは微塵も好きではないし、お陰で女子共に嫌われていい迷惑だった。 少し前まで恐れられた存在だったはずだが、多勢を背にした女は怖いものだ。 あたしは陰湿ないじめを受けるようになった。 知らないおっさんから援交をほのめかす電話や、ブスやヤリマンと書かれた訳の分からないメールが来るようになる。 その時のあたしでも、ネット上に顔の写メやアドレスが晒されたのは容易に分かった。 ロッカーの鍵をぶち壊され、ジャージを丸ごと盗まれたり、靴を隠されたり。 まあ一通りやられたよ。 大抵は気にしなかったし、中には仲良くしようとしてくれた友達もいたけど、あたしは自らそれらを遠ざけた。 家に帰ればズシがいる。 あたしの友達はズシだけでいい。  
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