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亡くなった子の母親はいつも事故があった場所に花を置いていた。
その日も花を置く母親の姿を見ながらいつものように学校から帰っていた。
ふと横断歩道に目をやると、4才位の女の子がいた。透けていたのですぐにあの女の子だとわかった。女の子は、大きな声で泣きながら、
「おかーたん」と叫んでいた。
「どうしたの?」
「おかーたんとこ行くぅ」
「あそこおるけん行ってきよ」
「いやーっ」
「なんで…。」
「とわぁいー。また、いたいいたいするのいやーっ。」
「…!…じゃお姉ちゃんと一緒に行こう。」
そう言って横断歩道をわたると女の子はとびきりの笑顔で母親のところへと駆けて行った。
それ以来、女の子は見ていません。
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