歪んだ天使の理想論

僕、ぴぴる♪

ちなみに今度の着信も非通知。

(またか……)

俺は唾をゴクリと飲み込み、通話ボタンを押して携帯を耳に当てた。

ﾎﾟﾁｯ「……もしもし？」

『ブビタトゥミー……アレ？』

(言えてない!!)

もしかしてこの娘、いい娘なんじゃ……。

『もしも～し♪

僕、ぴぴる♪

今、福澤高校にいま～す♪』

ガチャ！

ツー。ツー。ツー。

……和んでる場合じゃない。

でも、今度の通話で彼女のしたいことが何となく分かった。

彼女は今、鞴澤高校――俺が通ってる学校に居ると言った。旗舞駅から鞴澤高校、俺の家に近づいて来てる。

喋り方からしてあまり似せる気が無いみたいだけど、彼女は都市伝説の定番、『メリーさん』に基づいて俺にイタ電をしているみたいだ。

ジャララララララーン♪

ﾎﾟﾁｯ「もしもし？」

『もしも～し♪

僕、ぴぴる♪

今、ファミマにいま～す♪』

ガチャ！

ツー。ツー。ツー。

どうやら俺の予想は“当たり”らしい。