僕、ぴぴる♪

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「もしもし?」 『もしも~し♪』 体温が一気に冷たくなった。 『僕、ぴぴる♪』 心臓が得体の知れない恐怖に暴れ出す。 『今、あなたの部屋の前にいま~す♪』 ガチャ! ツー。ツー。ツー。 ボトッ! 携帯が床に落ちて部屋に鈍い音が響く。 ズズーーー……ドスン! 携帯に続き、俺も力無く背中で壁を伝って床に腰を降ろした。 視線は―― 声がしてきた部屋の扉から離せなかった。 携帯番号だけじゃなくて住所も漏れてる……。 いや、違う! 今はそんなことを気にする時じゃない! 俺は家に帰ってちゃんと鍵を掛けたはずだ。 何処か開いている窓から入って来たのか? 完全にイタズラの度を過ぎてる! 最早犯罪だ!! 頭が混乱して体に力が入らない。 腰を抜かしてしまったらしい。 とにかく、今の俺は背中を壁にピッタリとくっつけることしか出来なかった。 ジャララララララーン♪ 「!!!!?」 ビクッと声にならない悲鳴を俺は上げる。 ジャラララ-ララジャラララ-…… 都市伝説の最後を締めくくる着信が今、高らかに鳴り響いた。
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