歪んだ天使の理想論

僕、ぴぴる♪

この雑誌の最後の方のページに、来週から新連載する作品の紹介がされていた。

打ち切りになった漫画の中には、連載が終わった後も読者の支持が高く。アニメやドラマになって帰ってくる作品もある。

しかしそれは、何年も連載してきて長い間読者に愛されてきた作品だからこそできたことだろう。

今週号で打ち切られた作品は、新連載当初は初めのページに載っていたが、途中から最後の方に載るようになり数ヶ月で連載が終わってしまった。

とても、人気のある作品だとは言えない。来週……いや、今週中にはほとんどの人がその作品の存在を忘れて、来週から始まる新連載に注目することだろう。

誰もこの後、主人公がどうなったかも知らぬまま……語られることも無く、気にされることも無く、この作品は人々の記憶の中から消えていくのだろう。

(――せめて俺だけは覚えておくからな！)

心の中でそう語りかけ、俺は週刊漫画雑誌を元の場所に戻した。

それから俺は、紙パックのミルクティーと60円アイスを買い。出入口の横に置いてある無料のアルバイト求人情報雑誌をとってコンビニを後にした。

秋とはいえ残暑が厳しい帰路を、俺はコンビニで買ったアイスを食べながら歩くことにした。

買い食いはいけないって？

万引きした商品を食べるよりマシだろう？　自給自足精神を俺に押し付けられても困る。