僕、ぴぴる♪

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アルバイト求人情報雑誌をベッドの上で広げ、自分の住んでいる地域の夕方~夜のアルバイト要員を募集している所――つまり、学校の放課後で出来そうなバイトを検索し、一旦他の条件は無視して、条件に合った募集要項の所を赤ペンで丸く囲っていく作業に俺は取り掛かった。 別に金に困ってるわけでも、欲しい物があるわけでもない。 ただ、何も予定が無い放課後を有効活用したいだけだ。 俺の学校は生徒のアルバイトを認めていないが、ばれたからといって停学させる程厳しく取り締まってるわけでも無い。せいぜい厳重注意だ。現に隠れてやってる奴なんか生徒の中に山程いる。 まぁ大体の奴は生活を支えるためとか、進学の資金にするためだとかいう大義名分を掲げているが――俺の場合だって社会活動の経験の一貫として捉えれば、立派な大義名分だ。 それに前は進学を考えて無かったが、今は進学も視野に入れている。 まぁ進学するにしろ就職するにしろ、金があって困ることは無いだろう。 ある程度丸をつけてきた所で、今度は丸で囲んだ募集要項の中から、更に条件を絞って見直し、駄目と思った所はバツ印をつけていった。
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