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「エコーっ!」
教室に足を一歩踏み入れた瞬間、前方から何者かに勢いよく抱き着かれた。
このテンションは間違いなく、アヤだ。佐伯 彩音。わたしの親友。
「…おはよう、アヤ」
「おっはよー!また同じクラスだよ、エコ!これってマジ運命だよね!?」
アヤは抱き着きながら興奮気味に話す。あの、みんなが若干引いてるんですけど。
ちなみに"エコ"というのはわたしのあだ名だ。恵依子(えいこ)だから、エコ。
「朝っぱらから暑苦しい奴らだな。…とりあえず邪魔だ」
ヤトは教室の扉の前で戯れるわたしとアヤを片手で押しのけ、そそくさと自分の席を確認する。ザ・クールボーイ。
「何よあいつ。エコの幼なじみだからって調子乗って!」
ヤトの態度がカンに障ったのか、わたしから体を離して(でもわたしの両肩はがっちり掴んだまま)アヤは憤慨する。
そんなアヤをまあまあ、となだめ、わたしも自分の席を確認すべく座席表の貼られている黒板へ向かった。
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