幼なじみのあいつ

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俺には幼なじみがいる。そいつの名前は、榎本 恵依子。同い年の女だ。 小学校5年生の時にあいつが隣の家に引っ越して来て以来、縁あってずっと一緒にいる。 恵依子は昔から、無駄にポジティブな人間だった。 何があっても絶対に落ち込まないし、へこたれない。毎日を楽しそうに、明るくひょうひょうと生きている。 その性格は周囲を巻き込み、時に大きな変革を起こすことがある。 ただ。あいつはどうしようもなくバカだった。 人の好意に鈍感なのだ。 俺はかれこれ6年近くあいつに片想いをしている。さり気なくアピールもしてきたつもりだ。 それなのに、あいつは未だに俺の気持ちに気づいていない。俺のことは"ただの"幼なじみだと思っている。
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