正体

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 だって、好きな子の声を聞き間違えるわけがない。  見た目はこんなに怖いのに、とても女の子には見えないのに、でも声は好きな子のものだ。  いつもは恥ずかしくてとてもじゃないけど話しかけられない、ひっそり思いをよせてる女の子。  広げられた手帳の表紙には、その子の名前。黒猫をみると、みゃ☆、とないてそれはまるで俺の考えを肯定しているよう。 「どうして、こんなとこにいるの」  向き合って、聞いてみた。怖さはいつの間にかなくなってる。これが知り合いなら、好きな子なら俺はできるだけかっこいいところを見せたい。  好きな子をいじめたくなんかならない。俺は困ってるこの子のためになにかがしたい。 「ワカラナイ、ノ。……タスケテ」
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