若きウェルテルの悩み

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最近の私の口癖はおそらく「疲れた」であろう。 若造が疲れたなどと口にするな、と白髪の人々は言うが、ほぼ毎日朝晩には満員電車に揺られ、午前中には勉学に頭を使い、午後には部活動で体を使い、くたくたの状態で家にたどり着くという、薔薇色のハイスクールライフは何処へ?と尋ねたくなるような日々を送る男子高校生が精神に、あるいは肉体に疲れを感じないわけがないじゃないか。 勿論、この不甲斐ない状況も自分自身の輝かしい未来のためである、と頭ではわかっているのだが。 未だ見ぬ将来のために頑張るというのは私にとっては非常に至難である。 ヒンドゥー教では来世のために現世で苦労に堪えるという教えがあるらしいが、理解しがたいものだ。
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