涙が刈れるまで

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それは夏のよる すこし暑かったせいか目を冷ましてしまった 時間は丑三つ時をさしている ふと隣をみてはいつも一緒に寝ているはずの兄貴の姿が無かった 私は無意識のうちベットから飛び降り部屋をでて兄を探していた 船の中を探してもいないし 私は、また自分の前から居なくなってしまったのかと 涙が出あふれでてきた すると 「ジルフェ?どうしたんだ?」 ふと私の耳に聞き覚えのある声が聞こえた 振り返ってみると 「ったく…こんな所いたら風邪ひくぞ」 優しく微笑みそう言う 兄がいた 私は思わず抱き着いてしまった 「なに?心配してお兄ちゃん探しにきてくれたの?」 など言っていたが今の私の耳には届いて居なかった ずっと兄の腕の中で泣いていて 私の昔話をきいてくれた ずっと泣き止むまで優しく抱きしめ背中を撫でてくれた いつのまにか泣きつかれた私を兄は抱き上げベットまで運んでくれた それから私の隣を離れぬよう一緒にいたとかー… 涙が刈れるまで (兄のもう一つの顔は) (優しくて大人な顔だった)
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