女神とかき氷

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天気予報士はいつでも朗らかだ。 秋も。 冬も。 春も。 やっぱり夏も。 盛夏。 天気予報士の声が高らかに響く。 「……気象庁発表によりますと本日は全国的に平年の最高気温を五度も上回っておりまして……」 妙にカチンと来る声音だ。 (オマエは冷房が行き届いて快適かもしれないけどな) 「……こうした日は冷えたビールが美味しいもんですな。ハッハ……」 これは日替わりコメンテーターの声か。 「……賛成です。夏はビールに枝豆! やっぱりこれですよ……」 こちらは軽薄さが顔に滲み出しているコメンテーター擬きのタレントだ。近頃見る顔だ。多分、事務所のイチオシなんだろう。……馴れ合いだ。マスゴミと似非ゲーノー事務所の馴れ合いだ。 (……このヤロウ、殺してやろうか) そんな物騒すぎるほど物騒な顔がいくつも天空に振り向けられている。いや、そんな声が、きこえてくるようではないか。
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