第1章

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「ふいぃ~…終わったぁーッ!!」 と、雄夜が100枚近くもあるプリントを前にしながら嬉しそうに天井を仰ぐ。 結局、あれから生徒会全員で二時間かけてプリントの集計をし、たった今最後の一枚を雄夜が計算し終えたところだ。 隣でも、背伸びをしながら会長がくたびれたように肩を回す。 「にしても、会計のくせに5枚目から計算ミスしてそれに気付くまで時間がかかる奴って初めてみた」 「シグちゃんは真面目ちゃんだから劣等性の気持ちが分らないんだよ!ボクはボクなりにやってるのに…」 「まぁ、終わったからよしとしようじゃないか」 「紫苑先輩も少しは注意とかしてくださいよ…」 向かいのソファーでプリントをとじている紫苑先輩を見ながら言葉を放つが、たぶん無駄なことだろう。 現に先輩はプリントから顔は上げたものの、俺に振るなと言わんばかりに肩をすくめてしまった。 「じゃあ先生に出してくるよ!誰か一緒に行く~?」 「そんなもの一人で行ってこ──」 「仕方ねぇなぁ。んじゃ、ちょっくら付き合ってやってくれねぇか、紫苑?」 「え?」 会長の言葉に、思わず言いかけていた言葉が途切れる。 会長、雄夜の希望通りにしちゃっていいんですか? 「雄夜一人だったらどっかで書類落としちまうかもしんねぇからな」 「酷いよシグちゃん!そこまで間抜けじゃないんだから!」 いや、充分間抜けだと思うけど。
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