借金まみれの少年のお話

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 俺が『ゴムチュウ』を買った後、駄菓子屋のシャッターが直ぐに閉る。その為、俺達は一面に広がる道を二人で歩く事になった。  望と俺の家は近所にある為、帰る方向が一緒だ。しかし、望の部活は毎日ある。一緒に帰るのは、今日が久し振りになる。  何時からだろうか、一緒に帰らなくなったのは。俺は少し気まずい雰囲気を壊す為、先程の話を引っ張ってみた。 「そう言えばその見返りってのは何だ? もしかして、何かの情報か?」 「あ、ううん……もっと凄いヤツ」  望は小動物のような可憐さを出しながら、首をふるふると振った。珍しい情報でなければ、見返りとは何なのだろうか。  俺が見返りの内容を考えていると彼女の口が開き、頬を赤くしてこう言った 「シンカワノゾミの大預言ってヤツを……薫に、やってあげる」  何が恥ずかしいのか、両手で顔を隠して何かを唸っている。端から見れば、変質者だろう。しかし望の状態よりも、俺は望の言った内容が気になった。 「……、」 「どうかしたか……?」  望の顔はまだ赤面していて、何故かトマトのようになっていた。そして、俺の様子の変化に気づいたのか、怪訝な表情を浮かべていた。  ノストラダムスの大予言。  おそらく、望はそれと掛けて、自分で言って自分で笑っていたのだろう。しかし、俺からしてみれば全然面白くもなんともない。  残念ながら、彼女の笑いセンスは俺には理解不能だった。 「お前、預言とか言って部員から一回一回金取ってるだろ。イマイチ信用出来ないんだよなー。そういう所」 「だって……預言疲れるんだもん……」  望は頬を膨らませて、可愛い子供を演じている。そうやってお金絡みになると、望は何時も誤魔化す。本当に困った奴だ。  
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