借金まみれの少年のお話

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 その会話を最後に、俺と望は無言で道を歩いていた。一緒にいた時間は短く感じられて、気が付いたら近所の人の家に着いてしまった。 「じゃあ、俺、こっちだから。ここでお別れだな」 「そうだね……。"また"ね薫」  住宅街の一角、別れ道になっている所で、シリアスムードたっぷりの俺達はあっさり別れた。  しかし、望もタクと同じように、ある一部分を強調した。俺の気のせいだろうか。  ここから、数分で自分の家に着く。暗闇に包まれた空に浮かぶ、銀色に輝く月を俺は見惚れていた。  未来。  突然、望に言われた一言が頭を過ぎった。この一言を考えながら、そしてゆっくりと歩きながら、俺は自宅へ"静かに"向かった。 「……フフン」  
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