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取り敢えず、思い入れがあるフルートは三つに分解して、リュックに詰め込み、荷物の整理を終えた。
やっと一段落かと思いきや、Eメールの着信音がベットの上から聞こえた。俺はそれを手にとり、内容を確認する事ににした。
『私の部屋に来て』
メールの内容はとても意味深だった。しかし、驚く所はそこではない。メールの送信者、『城ヶ崎麗』。俺の母親の名前になっていたのだ。
「何だよ……このメール」
有り得ない。母親は三年前に死んだ筈。今、このメールが俺に送られてくるという事が分からなかった。
そして何より不気味だ。下へずっとスクロールすると、そこにも『城ヶ崎麗』と書かれていた。迷惑メールにしては達が悪過ぎる。
だが、気になってもいた。母さんの部屋は二年前から整理していない。いや、俺が行きたくなかったのかもしれない。
半分の疑惑と半分の好奇心が俺を渦巻いた。
何故、迷惑メールに対してこんなにも真剣になるのか、自分でも分からなかった。何か、必然的に操られて……。
「行って、見るか」
勝ったのは好奇心。俺は今まで二年間、開かなかったドアを開ける決意した。どうせ、この家も最後になるのだから。
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