借金まみれの少年のお話

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 カッ!! と音を立てながら、本を中心にして辺り一帯に光が放たれた。あっという間に部屋は光に包まれる。当然ながら、俺も光に囲まれた。  その光は俺の身体を攻撃するように激痛を伴わせ、視界を奪った。声すらあげられない。それ程の痛みだった。 「……っ!!」  もう何分、何秒経ったか分からなかった。いや、五秒も経ってもいないかもしれない。ただただ激痛が身体のそこら中に走り抜け、俺の意識は朦朧としていた。  そしてある時、痛みが絶頂を迎えた。 「うわぁぁあああああ!!」  そこで、俺の意識は途絶えた。最後に大きな音と父さんの声を聞いたのを最後にして。 「大丈夫か!! 薫!!」  
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