俺と平凡がお付き合い

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放課後の屋上 「……お前が、好きだ。」 正直、篠田に興味はあったが、惚れた腫れたは妄想上の戯れ事だと思っていた。 ましてや相手は、自分と同い年の男だ。 恋愛感情なんか認めたくなかった。 それでも、俺の身体は、その台詞を言葉にしていた。 「……ッ…」 怯えた様子の篠田は、まるで、狼に見つかった子羊 逃げたい、でも、逃げられない 「……別に無理ならいい。」 そう、哀愁を含ませて呟く 駆け引きというやつだ。 ただ、この場合… 相手が素直に受け入れてしまったら、取り返しが付かない。 「め、滅相もない!」 「……じゃあ、付き合うか?」 「もちろんでございます…」 多少強引だったかも知れないが、それでも、オレは篠田を手に入れた訳だ。 ……いいだろ。 少しくらい狡くたって。 .
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