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「……ッ…翠…!!」
翠は、県外に引っ越した家族と離れ一人暮らしをしている。
きっと1人で怖い思いをしているに違いない。
昨日は自分を裏切って女と浮気をした奴のことを心配している俺は、本当に、お人よしだと思う。
何より、冷静になってみればチンコが取れるなんて有り得ない…んじゃないか?
まさか、騙された…?
疑心暗鬼しながらたどり着いたのは、綺麗なマンション。
ここに翠は住んでいる。
贅沢にもほどがあるだろ…。
こんなマンション引き払ってウチに住めばいいのに。こんなことを何度思っただろうか。
―――…♪
「………?」
チャイムを鳴らすが、人が出てくる気配はおろか明かりすら見えない。
「翠?」
悪いとは思いつつ、合い鍵を使ってドアを開けた。
「おーい…ッて、何だ、いるんじゃ…」
「……有希、か…?」
涙で濡れた頬
金色の髪
白いTシャツに透けた大きな膨らみ
「………み、翠は…?」
何だか似てるけど…
女兄弟いたっけ?
「……本人だよ、ボケ」
「………翠って、女の子だった?」
「テメーのケツの穴、散々犯してやっただろうが。…しばらくしてないから忘れたか?」
「そうでした…。」
でも、何故か背は180cmのままで髪の長さもだいたい同じ。
変わったのは、胸と身体のラインと…
濡れた瞳
普段の歯向かおうもんなら噛み付いてきそうなほどの鋭い眼差しは、すっかり消えている。
目の前にいるのは、モデル体型(身長はやや高め)の美人さん。
不謹慎にも男でも女でも、美形は得だと思ってしまった。
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