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「壱夜が女ぁ!?」
さっきの面々と同じような反応に呆れ気味に返事をする。土方と近藤は呆気にとられた様子で口をぱくぱくとしている。だが流石の土方だ。すぐに我にかえって此方を睨んできた。
「おめぇ、隠してやがったのか?」
怒気を含んだ口調でそう言ってきたので、やや苛立ちながら答えた。
「隠してない。言う暇なくあんたたちが話を進めていったから言えなかったんだ。」
すると土方は思い当たる節があったのか苦虫を噛んだような顔をしている。やっと我にかえったのか近藤が困ったように声を上げた。
「それにしても困ったな。女子となればむさ苦しい男共と一緒に寝るのは嫌だろう?」
「何言ってんだ近藤さん。そもそも女はここには置けねぇよ。」
土方が呆れ気味にそう言うと、沖田と佐之さんが反対の声を上げた。
「だけど土方さん、私よりも強い壱夜さんがここに入れないなんておかしいですよ!」
「俺も同意見だぜ。そもそも記憶がないのに追い出すなんざ可哀想だろう。」
沖田と佐之さんに詰め寄られて土方は少し諦めたようにふぅ、と息を吐いた。
「…わかった。壱夜、お前ここに居る間は男になれ。芹沢さん以外は気づかなかったんだ、どうにかなるだろ。近藤さん、それでいいな?」
「私はそれで構わんよ。」
近藤は笑いながらうんうんとうなずく。
「あと、部屋をどうすっかだな…。」
「あの…べつに…」
「それなら私と同じ部屋はどーですか?」
「おめぇは斎藤と同室だろうが」
(また話が勝手に進んでる…)
沖田の提案はあっさりと却下された。すると今まで黙っていた藤堂が口を開いた。
「あのー土方さん提案なんすけど、面倒みることも含めて土方さんか近藤さんか山南さんの小姓にでもしたらどうっすか?」
「それ賛成です!って言うか土方さんの小姓が見てみたいっ!」
沖田が目を輝かせながらそう言うと、土方が嫌そうな顔をする。
「嫌だよ。面倒くせぇ。」
「いや、でも私も歳に小姓が付くのは見てみたいな。よし、局長命令だ。」
「ちょ、近藤さん!?マジかよ!?」
土方は必死に嫌がるが近藤が命令だからと突っぱねた。
これはまたこっちの話も聞く様子はないなと苦笑いをしたのだった。
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