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一方通行の片思い期間は、無我夢中に突っ走っていた。
あの人に少しでも近付きたくて、同じ図書委員になったり、自ら進んで委員会の手伝いもしたりした。
努力した結果が実を結び、あの人に覚えてもらえて、他愛無い会話や挨拶が出切るようになるまでになってくると私は、挨拶や会話をしただけでも心が舞い上がっていた。
片思い特有のものだろう。
それが嬉しくて仕方ない無自覚だった自分を、現在は懐かしく感じる。
付き合うことになったのは、夏休みの図書室でだったのをまだ覚えている。
そして、こうも記憶してる。
……砂糖菓子のように、甘酸っぱくて楽しいのが恋愛の意味だと……。
現実が見えていない、幼稚な思考をしていた私だったことも。
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