1.砕けた砂糖菓子

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 栗色でふわふわとしてて柔らかそうな髪癖。  焦げ茶の瞳に端整なな顔立ち。  それでいて、物腰が柔らかい態度で気兼ねなく接してくれるし、誰に対しても優しいし。  ……先輩とデートするんだったら、遊園地とか近場にある雛白公園とかがいいなぁ……なんてことを勝手に頭の中で妄想する。  別れたばかりだっていう情報だし、ありえない。ありえない。 「あ。もうすぐ四時になるし、今日の作業はここまでにしようか」  先輩からの掛け声で妄想の世界から現実へ帰ってきた私は、焦りつつも時計で確認をする振りをして話を合わせることがどうにか出来た。   「ホントだ。出入り口に閉館のプラカード下げてきます」 「じゃあ、僕はこれ書き込んじゃうね」  私から受け取ったメモを軽く持ち上げて、書いてある内容を一覧表に書き写すことを示した。  軽く頷き、私は出入り口の戸を開けてプラカードを下げる。  静かな図書室を歩くたびに上履きのゴムと床が擦れる音が大きく響く。普段なら気にしない音も、静寂感の雰囲気に包まれているここだと気にするものなんだと思う。
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