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3.忘れたい、忘れられない
絡めた肌を褥に
情欲と法悦を枕にして
深淵の闇で今日も私達は眠り続ける
夢の中で思い出し続ける、あの陽だまりを失ったことを
海のようなこの人は
いつも隣に居る、片割れだ
逃げる術も
優しい言葉も
欲しい快楽も
この人もそれを求めている
互いの寂しさを埋め合わせるかのようにして
葬ったはずの陽だまり
そう思いたい
でも、その人を思い出してしまうのは同じ立場になったからかもしれない
「忘れないで」という言葉に捕らわれ続けているのかもしれない
それと一緒に
隣に居る片割れに対して、罪悪感を抱いてしまう
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