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愛里の家には住み込みのお手伝いがいる。一人は老婆 庭の手入れから愛里の世話まで 何でもしてくれる。曾祖父の愛人だった彼女はしわくちゃだが 娘時代の写真は驚くほど美しい。もう一人はと言うと 愛里の父の愛人である。何故か木曜日の夜は愛人の部屋に寝てる父親。幼い頃から目にしているので 気にもならなかった。まったくどうしようもない男達である。愛里は眠れない夜 愛人の聡子の部屋に遊びに行っていた。 小さな部屋には 桜色の可愛いお布団 硝子細工の動物達はキラキラとして シンデレラのカボチャの馬車もあった。
胸がワクワクした。
また 怖いの。
良いわよ 素敵な布が有るから 一緒に袋を作りましょう。
小さな花柄のピンクの布は 聡子のように柔らかな光を纏っていた。
楽しい時間
このまま 時が止まってしまえばと 思っていた。
聡子は静岡の伊豆に実家があると言っていた。涌き水がお家の中まで引いてあり わさびを作っている 農家だ。透き通るような しなやかな躯は 父を虜にしたのだろう。
愛里さん 学校はどう?
つまらないわ でも一人キラキラしてる綺麗な子を見つけたわ。
お友達に なれたらいいわね。
ニッコリと微笑む姿は 女神様のよう。
針仕事に飽きた愛里は ねむくなり
聡子におやすみをした。
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