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「春美ちゃんってわかりやすいなぁ。
春美ちゃんと雪野君どういう関係よ?
この際だから教えなさいよ」
岬はぐいぐいと肘であたしを突く。
わかりやすい性格で悪かったわね。
意外とミーハーなのね、岬ってば。
あたしは苦手だな。
こういう女子特有のノリは……。
「あたしと冬夢は幼なじみなだけで、それ以上でもそれ以下でもないの」
あたしは当たり障りない答えを言う。
マジでこういうの面倒臭い。
「そっかそっか~。
幼なじみか」
どうやら岬はなっとくした様子。
超明るい性格なのにサッパリとしてる。
ホント、いい子だわ。
「『冬夢なんか』で悪かったな」
いつの間にかあたし達の隣にいた冬夢はすねている。
「あれれ~。
いつからいたの?」
驚いた岬は目を大きく開いた。
「ずっといた。
二人がピーチクパーチク話してる間、ずーっと」
そういうと冬夢は背伸びした。
キーンコーンカーン……
気まずい雰囲気の最中、タイミングよくチャイムがなる。
ナイスチャイム!
「休み時間短いね~」
「そうだね」
あたし達は冬夢にお構いなしに席についた。
冬夢も気にするでもなく、授業の用意をしていた。
あたし達って、凄~くマイペースだね。
うん、いいんだけどもさ。
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