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放課後、あたしと冬夢はクラス委員(成り行きでなってしまった)の仕事真っ最中。
今日の仕事は、体(てい)のいい雑用です。
帰りたい!
あぁ、帰りたいよ!
ポイッて投げ出して知らん顔してブッチしたい!
……でも、そんな事できない。
意外と小心者なんだよね、あたしってば。
「怒ってる?」
クルクルと仏頂面してシャープペンシルを回していたあたしに、冬夢は心配そうに言う。
「怒ってない」
何を今更……。
怒ったって後の祭り、後悔先に立たず。
「怒ってるよ」
ぷぅっと餅みたいにほっぺを膨らませ、冬夢はつっかかってくる。
……逆ギレかよ。
「怒ってないよ!」
ついつい、あたしも声が大きくなる。
……しつこいわね、全く。
「ほら、怒ってる」
大きな声をあげたあたしをジローッと冬夢は見てる。
怪物を見るような目で……。
「あ・の・ね!
怒ってなくてもこんだけしつこく『怒ってる?』何て聞かれると怒るわよ!」
イライラする。
あ~、イライラする。
何よ、何よ。
この空気は!
「一理ある」
深く意味深に冬夢は頷く。
ドカッ!
あたしは思いっきり机に突っ伏した。
いや、ね。
しつこく言われて気分いい人いないじゃん。
99%の人はいい気持ちしないよ。
多分……。
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