☆プロローグ。

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━━…… あたしの名前は花形 春美(はながた はるみ)。 幼なじみの雪野 冬夢(ゆきの とむ)は泣き虫だった。 いつもガキ大将に虐められてピーピー泣くし、怖い犬に追い掛けられてピーピー泣く。 その度にあたしは、ガキ大将をぶん殴り怖い犬を追っ払った。 いつしかみんなあたしの事を『姐御』と呼ぶようになった。 冬夢はいつもあたしの後をちょこまかとついて来ていた。 だから余計にあたしが冬夢を守らなきゃ……って思ってた。 けど、ホントはあたしの方が冬夢に助けられていたんだ。 冬夢といるのが心地好くて、何か安心していた。 不思議と冬夢の前では笑顔でいれた。 あたし、冬夢の事が……。 同じ歳なのに、あたしより小さくて泣き虫で……。 守ってあげたい大切な存在。 冬夢んちとは、家が隣どおしで家族ぐるみ交流がある。 あたしも冬夢も少しずつ少しずつ大人になってきている。 お互い何でも話せて、何でも知ってる存在なはずなのに段々距離を置くようになって……。 二人でいるのが何だか照れ臭くなって、自然と距離を置くようになっていた。 お互いがお互いを意識しあってる。 これは恋なのか単なる照れ隠しなのか思春期独特のものかわからない……。
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