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「……納得したか?」
「え……?」
彼女は冷静にオレに問いかけてくる。
「魔王は確実にこの世界にいる。日々ニュースでやってたりすることもほとんどが事実だ。」
「……うん……」
もう認めざるを得ない。
はるパンの姿はここにはもう無いけど、最早脳裏に焼きついている。
「早めに魔王を倒さなければ、この世界は散々遊ばれた挙句滅ぼされるだろうな。」
さっきのはるパンを思い出す。
きっとタマの言うことは事実だ。
魔王は、俺達をいくらでも替えのきくおもちゃのようにしか思ってないだろう。
放心状態のまま、彼女を見つめる。
「……はるパンの言うとおり、この世界を救えるのはお前しかいないんだ。
多分、後一年もしない内にお前自身もそれがわかるはずだ。」
彼女はオレの胸に手をあててくる。
「突然すぎるかもしれない。でも、もう悩んだりしている暇はあまりないんだ。
――率直に聞こう。お前は、魔王を倒す意思があるか?」
真剣な表情でまっすぐ見据えられる。
オレも、まっすぐ彼女を見つめ返した。
――正直、今でもイマイチ信用出来ない。
自分が魔王を倒せるらしいこととか。
これ実はテレビのドッキリなんじゃないかと今でも思うし。
さっきのはるパンだって単なる幻覚だとも一瞬考えた。
でも地面を見ればはるパンの足跡がある。
自分がさっき落とした剣もある。
胸に確かな彼女の手の温もりを感じる。
もう信じるしか無かった。
オレにしか魔王を倒せないって。
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