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「……」
家出してからわざわざメールをくれるということは
なにか意味のあるメールなのだろう
だからこそ見れない
『帰ってきてほしい』
なんて書いてあったら
私は確実に帰ってしまうだろうから
「……明日見よう」
双子に一緒に見て欲しいと頼めばなんとかなる
「……」
……
……
……
……
……
「……もう」
我慢出来なかった
スライド式の携帯をスライドした
メールが開封待機中だ
「……お姉ちゃん」
独り言が多くてどうにも困ってしまう
「……」
私はありったけの勇気を振り絞って
メールを開封した
『優ちゃん、ごめんね……
優ちゃん辛かったよね
色々なこと急に言われて、受け入れさせられて
本当にごめんね
後は優ちゃんの好きにしていいよ
助けてほしいときはいつでも言って?
帰ってきたくないなら、帰りたくなるまで帰らなくてもいいから
お姉ちゃんもお母さんも
ずっと待ってるから
大好きだよ、優ちゃん』
男はギャップに弱い
同じことを前に言ったような気がする
「う、うぅ……お、お姉ちゃん……」
涙が止まらない
今の顔は醜いだろう
いや、いつもの顔がいいということではないが
「お、……うぅ……お姉ちゃん……」
「んん……」
「んん……」
双子が起きてしまうくらいの声で泣いてたようだ
泣いてる本人は気づかないことが多いが
人は人の泣き声によく反応する
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