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「でも……私、化粧とかしないよ?」
「しないとしても、持ってるだけで疑いが薄くなるはずよ(^^)」
「そ……そうかな」
「凪沙にバレたくないならちゃんと揃えること(^^)」
「は……はい」
手なずけられている
我ながらみっともないよ
しかし
今はちゃんと言うことを聞かないと
知識はほとんど無いのだから
「洗面所はあっち、終わったら着替えて居間に来てね~」
「は、はい……」
姫雛の指が指す方向に歩いていった
古き良きお屋敷
木造で
木の独特のいい香りがする
それに似合わない洋風な洗面所があった
「……」
鏡
反転した事実
すなわち、嘘をうつす
藤次郎が言っていた
一見哲学的な感じがするが
ただのひねくれたセリフだ
真実をうつす
それが鏡
私はそう思う
「髪伸びたなぁ……」
私は髪が伸びるのが早い
1ヶ月で相当伸びてしまった
長い髪
乙女の命
乙女の証
こんなに長くなければ男にも見えるだろうに
髪とは恐ろしい
「ふぅ」
何を言われるかわからない
さっさと顔を洗って着替えよう
自ら女物の服を着てると複雑な気持ちになる
それが当たり前になっているのが皮肉だ
「……はぁ」
股間にサポーターをあて
その上にスパッツを履いた
上と下が繋がっている
いわゆるワンピースを着て
その上にレースのコート着る
靴下の代わりに、木造建築とは違った、独特の香りがするタイツを履いた
「行こう……」
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