僕は女の子?

20/35
前へ
/1152ページ
次へ
「行ってきまーす」 「行ってきまーす」 「行ってきます」 あまり気乗りしない なんせ女の子用のアイテムを買いに行くのだから 女の子の服や仕草には慣れても 化粧や細かい身だしなみには慣れない 実際私は15、6年男として生きてきたのだから 「……」 「元気無いですね?」 「……あ、あの……メイクってしないといけないのかな?」 「メイクですか?」 「まぁ、ちょっとくらいいいんじゃない?」 「そういえば双葉は女性らしくしていれば、あまり厳しい規則はありませんからね(^^)」 特訓中に お姉ちゃんにメイクをしてもらったことが何度かあった 気恥ずかしいったらありゃしなかった 「……」 「何よ、今さら恥ずかしいとか言うわけじゃ無いわよね?」 「リップクリームとか化粧水とか肌のパックだったらまだしも……メイクはやっぱり恥ずかしいよ////」 「何事も慣れですよ(^^)」 この莉菜という娘は 私の女性化計画に異常に参加的なのだ 腐女子 私みたいな人間を着せ替え人形のように ためらいもなく着せ替える 恨めしい 「わーん、わーん……散歩してたら飼い犬のブルドックの登竜朗が逃げちゃったよ~」 「……」 やけに説明的な子供が現れた こんな子供を現実で見たのは初めてだ そして、名前がやけに渋いブルドックだ ドーベルマンならまだしも ブルドックじゃないか こんな風に心の中でツッコミをしていたら 双子がその子供に駆け寄っていった
/1152ページ

最初のコメントを投稿しよう!

367人が本棚に入れています
本棚に追加