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「行ってきまーす」
「行ってきまーす」
「行ってきます」
あまり気乗りしない
なんせ女の子用のアイテムを買いに行くのだから
女の子の服や仕草には慣れても
化粧や細かい身だしなみには慣れない
実際私は15、6年男として生きてきたのだから
「……」
「元気無いですね?」
「……あ、あの……メイクってしないといけないのかな?」
「メイクですか?」
「まぁ、ちょっとくらいいいんじゃない?」
「そういえば双葉は女性らしくしていれば、あまり厳しい規則はありませんからね(^^)」
特訓中に
お姉ちゃんにメイクをしてもらったことが何度かあった
気恥ずかしいったらありゃしなかった
「……」
「何よ、今さら恥ずかしいとか言うわけじゃ無いわよね?」
「リップクリームとか化粧水とか肌のパックだったらまだしも……メイクはやっぱり恥ずかしいよ////」
「何事も慣れですよ(^^)」
この莉菜という娘は
私の女性化計画に異常に参加的なのだ
腐女子
私みたいな人間を着せ替え人形のように
ためらいもなく着せ替える
恨めしい
「わーん、わーん……散歩してたら飼い犬のブルドックの登竜朗が逃げちゃったよ~」
「……」
やけに説明的な子供が現れた
こんな子供を現実で見たのは初めてだ
そして、名前がやけに渋いブルドックだ
ドーベルマンならまだしも
ブルドックじゃないか
こんな風に心の中でツッコミをしていたら
双子がその子供に駆け寄っていった
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