僕は女の子!?

「大丈夫?」

「わんちゃん、どこではぐれたのかな?」

「うぅ……土手のほう」
「じゃあ、探しに行こっか(^^)」

「お姉ちゃんたちが一緒に探してあげるから(^^)」

お人好しというのはこういうことなのか

優しさも度がすぎると迷惑になる

しかし、今回は迷惑ではないからお人好しではないのだろう

よし

私も便乗しておこう

「そうだね、探しに」

「優はいいから、お店に行きなさい(^^)」

「私達だけで大丈夫ですから(^^)」

「……」

最初に行くのはメイク道具があるお店だったはず

そんなお店に一人で行けと言うのか

「い、いや……さすがに一人では」

「さっさと準備しないと時間なくなっちゃうじゃないの」

「明日が入学式なんですからね?」

「……」

例え外見が女の子であろうと

メイク道具を男が一人で買いに行くのはまずい

むしろ外見が女の子というのが
女装の完成度をあげて尚更変態感が出る

「……わ、分かりました……」

私は反論することを覚えたほうがいいようだ

しかし、時間に余裕があるわけではないのは事実だ

さっさと済ませれば恥ずかしくない

大丈夫だ

「……お、お店で待ってるから」

「あいよ(^^)」

「はい(^^)」

大人げないが子供を恨んだ

だいたいなんでリードで繋がっているはずの犬とはぐれるのだ

と

私らしくもなく愚痴った

「うわー……」

外見も内装も女の子らしいお店

可愛くてみとれてしまう

心までもが女の子らしくなってきてしまったが

やはり入るのにためらいがあった