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運が悪かった
というよりも
先程言ったように春休みだから
人が多かった
「う……」
とは言え
行列に近づいてから
逃げるように去るのは恥ずかしかった
なので
仕方なく行列に並んだ
「はぁ……」
何だか気になる
何が気になるかは分からないが
何だか気になる
私の何人か前に
見覚えのある後ろ姿がある
「……んん、誰だっけ」
間違いなく
中学生の頃にいたやつの後ろ姿だ
「……あ」
竹野
そう
竹野だ
下の名前は……
覚えてない
前述したとんでもない男
(28ページ参照ですぜ)
「……竹野か」
「ん?」
「!」
独り言が聞こえてしまったのだろうか
そりゃ自分の名前が出れば
小さい声でも反応してしまう
人間そんなものだ
15、6年しか生きてない私にそんなこと言えるのか
そこはスルーを推薦する
「……」
「……」
そっぽを向くしかなかった
大体、竹野よ
何で一人でアイス屋の行列に並んでるいるのだ
竹野
中学生の頃から女ったらしだと噂されていた
私は噂としか思っていなかったが
全校生徒朝会で絵の賞をもらった時
自ら女ったらしなのを叫んで
全校生徒に知らせた
何の得にもならないのに
それと
異様に野菜を嫌う
給食に野菜が出てきた場合
給食時間中の90%を野菜の悪いところの演説に使用する
とんでもない男だ
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