僕は女の子?

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鶴の恩返しは知っているだろうか 罠に捕まった鶴をおじいさんが助け その鶴は人間に化けておじいさんに恩返しをする しかし鶴は 「障子を開けてはいけない」 そう言う 我慢が出来ず 障子を開けてしまったおじいさんが見たのは 機織りをする鶴 正体がバレた鶴は帰ってしまうのだ 私は愛する母親と姉のために 女子高に女子として入学する 正体をばれないように3年間なんとか生きて 鶴のようには帰らない それが母親と姉に対しての恩返し これが終わったら 一人でどこかへ旅立とう エンディングが違っても、いつか帰るのは同じ 鶴も一羽で行ってしまったのだから 「……!」 お風呂でシャワーを浴びながらうとうとしていた 双子は先に寝てしまったのだが 二三四さんの手助けのおかげでお風呂までたどり着けた 「……はぁ……明日から……か」 思えば、長い1ヶ月だった 女子高に進学することを伝えられ 女の子になり 家族と別れ 双子の家に泊まり 竹野が車にひかれ もう明日は女子高入学式だ 「……」 お風呂の大きな鏡 私の体がすべて写る 女の子とは思えないものが目にはいる けれど 皮肉なことに、顔は女の子らしい 複雑な気持ちになる 「ふぅ……あついあつい」 シャワーはお湯そのものが体をあたためるが 鏡は心をあたためると誰かが言っていた そんなの虚言だ
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