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ぴぴぴぴぴ
ぴぴぴぴぴ
「……」
「……」
「……」
目覚ましが鳴っているのは分かっている
しかし
布団から出るのが億劫でたまらない
双子が起きるまで待ってよう
「ふああ……」
「んん……お姉ちゃんおはよう」
なんてタイミングの悪さだ
これでは私だけが寝坊したように見えるじゃないか
「お、おはよう……」
「ん、ちゃんと起きたわね」
「洗面所行きましょうか(^^)」
三人並んで歯を磨いていた
鏡に写る私は
双子より背が小さい
一応男なんだけど……
「がらがらがら……ぺっ…………ねぇ」
「はにほ」
訳、なによ
「私の声って女の子って言って通るかな……」
「たいひょうふてふよ」
訳、大丈夫ですよ
「そうかな……」
まぁ今更どうこうできる問題ではない
それとも、まだ学校に行くのを嫌がっているのだろうか
「ふぅ……私達、やることあるから、あんた先に制服に着替えときなさいよ」
「え?……私も手伝おうか?」
「いえ、ウチの儀式と言うかなんと言うか……この家の血縁関係にある人間以外は参加出来ない決まりごとがあるんです」
「……そっか」
「10分くらいで終わるから、それくらいしたら降りてきて?」
「はい……」
ちょっとした疎外感
少し寂しい
もし私が実家にいたら
お姉ちゃんとお母さんは私を見送ってくれただろうか
別れを惜しんでくれただろうか……
少し不安だ……
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