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ぶーん……
「……」
なんてことだ
私の席は二三四さんが座っている運転席の後ろだ
これでは二三四さんが見えない
助手席には莉菜
私の左隣には姫雛
本当は助手席に座りたいのだが……
せめて……姫雛さん、席を変わってよ
「ひ、姫雛」
「なに?」
ま、待つんだ優
『席を変わってください』
『何でよ?』
『二三四さんを見たいから』
ぶっ飛ばされてしまう
何か嫌だぞ
「ご、ごめんなさい、やっぱりなにもない……」
「……?」
しばらくしていると
いつもの風景からはかけ離れた
おとぎ話の中にしか出てこない様な
森と湖
斧投げ込めば本当に女神様が出てきそうな
そんな素敵な場所を走っていた
「わぁ……綺麗だね」
「そういえば優ちゃんは初めてでしたね」
「……本当にばれないかな」
「大丈夫よ、女の子にしか見えないし」
「……それはそれで嫌だな」
「お姉ちゃん、しばらく待機してるから三人で校長に会いに行くんだよ?」
私のオアシス
ようやく喋ってくれた
声を聞いただけでゾクゾクしてしまう
私がどんどん変態になっているような気がする
「は、はい……」
「はーい」
「そうするね(^^)」
校長
お母さんの知り合いらしいが
どんな人なのだろう
「あの……校長先生ってどんな人?」
「私達も見たことないわね……」
「試験の時にもいなかったみたいですし」
「そっか……」
こうなると更に気になるではないか
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