ある夏の夜

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鏡面世界。そこは現実世界と反対の世界。あらゆる魑魅魍魎が存在し、あらゆる魔術や魔法があるとされている。 神隠しやハーメルンの笛吹きなどの人や物が忽然と消えるのも、鏡面世界に偶発的に、あるいは人為的に立ち入った為とされている。 「―――これらは恐らく魔術の一種と考えられてきたが、今でもその原理については全く解明されていない」 今、ある一人の少女が教師に指名されて教科書を朗読していた。 彼女の名は弥生。生まれつき魔力の内蔵量が多く、この学校にやって来ることになった。 「よろしい。座っていいぞ」 「はい」 教師に言われるまま席に着く弥生。 ここでは魔術を使える可能性のある者だけが来られる魔術学校。 魔術の起源は解明されておらず、神の加護を受けた者の業、魔女の業、鏡面世界からの贈り物だと言われている。
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