プロローグ

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誰かがカーテンを全開にした。 柔らかい、朝の光が部屋を包む。 眠いのに……今の私には光より、暗闇が恋しい。 「ミーナ、ミーナ」 嫌だ、起きたくない。かぶっていた布団の奥に潜り込んだ。 「いい加減に起きないと……」 「ぎゃあ!」 身をよじらせた拍子に、ベッドから滑り落ちた。 ママが、私の布団に手を突っ込んで、脇腹をくすぐってきたのだ。 子供みたいな事をする人だ。 「本当に寝起き悪いんだから、パパそっくりねー」 笑いながら言うママは、私よりも子供っぽい表情をしてる。
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